各種研究集会のお知らせ(2013年第2四半期・開催日順)

このページは、会員の皆さんから寄せられた、研究会、学会または研究・教育機関等が開催する研究集会のご案内です。デザイン上若干変更させていただく場合もございますが、原則として寄せられた情報をそのまま掲載しています。内容についてのお問い合わせは、それぞれの問い合わせ先に直接お願いいたします。またこのページに情報を掲載したいかたは、こちらをご覧下さい

柳田國男記念伊那民俗学研究所 民俗学入門講座(第3回)

日時:2013年4月16日(火) 18:30〜20:00
会場:飯田市美術博物館 柳田國男館
長野県飯田市追手町2-655-7/飯田バスセンターより徒歩5分・JR「飯田」駅より徒歩20分)
開催の趣旨:
 ご飯茶碗は自分専用のものがあるのに、洋食器は家族みんなが同じものを使うのはどうして? 身の回りにはふと考えてみると不思議なことがあります。民俗学は何げなく続けてきた慣習や言い習わしの疑問に答えるために、地域の生活を調査研究する学問です。
 柳田國男記念伊那民俗学研究所は地域に住む私たち自身が伊那地方の生活文化の調査と研究を行うことで、自らの生活の疑問を明らかにするために設立され、現在まで活動してきました。
 民俗学入門講座では私たちの身の回りにある生活の疑問に解説を加えながら、地域で生活を送る私たち自身が郷土の生活文化を知ることの意義や、調査・研究の具体的な方法について、わかりやすくお話しします。
講師と内容:「晴々とした、晴れがましいとは」(福田アジオ/柳田國男記念伊那民俗学研究所長)
聴講料:1回500円(事前申込不要・当日会場へ直接お越し下さい)
各回の内容(全6回・毎月第3火曜 18:30〜20:00)
第1回=2月19日(火)「民俗の発見」※終了しました
第2回=3月19日(火)「旅の恥はかきすて」※終了しました
第3回=4月16日(火)「晴々とした、晴れがましいとは」
第4回=5月21日(火)「他人の茶碗は汚い?」
第5回=6月18日(火)「東のバカ・西のアホ」
第6回=7月16日(火)「民俗学の方法」
主催:柳田國男記念伊那民俗学研究所
問い合わせ先:
飯田市美術博物館
TEL: 0265-22-8118
E-mail: ic91445★city.iida.nagano.jp(★は@に変えて下さい)

京都民俗学会 第258回談話会

日時:2013年4月26日(金) 18:30〜21:00
会場:キャンパスプラザ京都 5階第1講義室
(京都市下京区西洞院通塩小路下ル/JR「京都」駅下車、徒歩1分)
発表者とタイトル:
市川秀之(滋賀県立大学人間文化学部)「『民俗』の創出と歴史民俗学」
要旨:
 おそらく発表の頃までに発表者の新著『「民俗」の創出』(岩田書院)は刊行されていることとと思う。
 この本にはこれまで題名のテーマに基づいて書いてきた6篇の論考を収録しているが、今回は同書のまとめとして新たに書き下した部分について報告することとしたい。
 前半では「民俗」について述べる。発表者は民俗を民衆の生活文化とし、それに意味を与える作業を民俗学だと理解している。しかしながらこれまでの民俗学が対象としてきたのは、そのなかでも伝承的な領域に限定されていた。
 それを発表者は括弧つきの「民俗」としてとらえ、1神に連続する、2「古代」的である、という二つの特色をもつ文化として把握している。そのうえで「民俗」が歴史的にどのようなイメージをもって成立してきたのかを発表の後半では考えたい。
 とりわけ発表者が重視するのは近世後期から近代にかけてそのような「民俗」が創出されていくプロセスである。これについてはこれまでに発表者が個別に検討してきた先祖代々の墓の成立や、神武天皇祭の民俗行事化などを事例として、具体的にその性格を考察したい。
主催:京都民俗学会
問い合わせ先:
E-mail: mail★kyoto-minzoku.jp(★は@に変えて下さい)
備考:
会員は入場無料。一般の方は申し訳ありませんが300円頂戴いたします。

現代民俗学会年次大会

日時:2013年5月11日(土) 10:00〜17:00
場所:お茶の水女子大学 大学本館306教室
プログラム:
 個人研究発表(10:00〜12:00)
10:00〜10:30 第一報告 王新艶(神奈川大学歴史民俗資料学研究科)
 「現代化における華北農村の伝統的な家族観の変遷 ―山東省の旧暦10月1日の『鬼節』の祖先祭祀を事例に―」
10:30〜11:00 第二報告 胡艶紅(筑波大学人文社会科学研究科)
 「『七月半』祭礼における神・祖先・死者 ―中国太湖流域における大型漁船漁民の事例を中心に―」
11:00〜11:30 第三報告 辻本侑生(筑波大学人文・文化学群人文学類)
 「高度経済成長期の焼畑山村における消費生活 ―複合生業と失業保険―」
11:30〜12:00 第四報告 石川俊介(名古屋大学大学文学研究科博士研究員)
 「誰が『民俗行事』を継承するのか ―富山県南砺市城端の盤持(ばんぶち)大会を事例として―」
 年次大会シンポジウム「高度経済成長期における食生活の変貌」(13:30〜17:00)
表真美(京都女子大学)「食生活と家族だんらん」
西野肇(静岡大学)「家電製品の普及と生活変化」
村瀬敬子(仏教大学)「料理とメディア」
主催:現代民俗学会
共催:お茶の水女子大学比較日本学教育研究センター
問い合わせ先:
現代民俗学会事務局
E-mail: mail★gendaiminzoku.com(★は@に変えて下さい)
URL: http://gendaiminzoku.com/index.html

国際人類学フォーラム(FIA)東京大会

「非覇権的人類学を求めて ―文化の三角測量―」

日程:2013年5月17日(金)〜18日(土)
会場:日仏会館ホール
(東京都渋谷区恵比寿3-9-25)
プログラム(日仏同時通訳あり):
5月17日(金) 10:00〜13:00 言語・コミュニケーション
5月17日(金) 14:00〜17:00 宗教・世界観
5月18日(土) 10:00〜13:00 技術・医療
5月18日(土) 14:00〜17:00 身体・演劇・舞踊
主催/共催:神奈川大学/公益財団法人日仏会館
その他の情報:
入場無料。参加ご希望の方はメール、FAXにて事前にお申込み下さい。
詳しい情報及びアクセスはこちらをご覧下さい。
問い合わせ先:
国際人類学フォーラム(FIA)東京大会事務局(担当:林)
〒221-8686 横浜市神奈川区六角橋3-27-1 神奈川大学常民文化研究所内
TEL: 045-481-5661[代表](ex.4000) FAX: 045-481-3155
E-mail: jomin-fia2013office★kanagawa-u.ac.jp(★は@に変えて下さい)
URL: http://jominken.kanagawa-u.ac.jp/cgi-bin/system/topics/index.cgi?c=zoom&pk=1366172846

柳田國男記念伊那民俗学研究所 民俗学入門講座(第4回)

日時:2013年5月21日(火) 18:30〜20:00
会場:飯田市美術博物館 柳田國男館
長野県飯田市追手町2-655-7/飯田バスセンターより徒歩5分・JR「飯田」駅より徒歩20分)
開催の趣旨:
 ご飯茶碗は自分専用のものがあるのに、洋食器は家族みんなが同じものを使うのはどうして? 身の回りにはふと考えてみると不思議なことがあります。民俗学は何げなく続けてきた慣習や言い習わしの疑問に答えるために、地域の生活を調査研究する学問です。
 柳田國男記念伊那民俗学研究所は地域に住む私たち自身が伊那地方の生活文化の調査と研究を行うことで、自らの生活の疑問を明らかにするために設立され、現在まで活動してきました。
 民俗学入門講座では私たちの身の回りにある生活の疑問に解説を加えながら、地域で生活を送る私たち自身が郷土の生活文化を知ることの意義や、調査・研究の具体的な方法について、わかりやすくお話しします。
講師と内容:「他人の茶碗は汚い?」(福田アジオ/柳田國男記念伊那民俗学研究所長)
聴講料:1回500円(事前申込不要・当日会場へ直接お越し下さい)
各回の内容(全6回・毎月第3火曜 18:30〜20:00)
第1回=2月19日(火)「民俗の発見」※終了しました
第2回=3月19日(火)「旅の恥はかきすて」※終了しました
第3回=4月16日(火)「晴々とした、晴れがましいとは」※終了しました
第4回=5月21日(火)「他人の茶碗は汚い?」
第5回=6月18日(火)「東のバカ・西のアホ」
第6回=7月16日(火)「民俗学の方法」
主催:柳田國男記念伊那民俗学研究所
問い合わせ先:
飯田市美術博物館
TEL: 0265-22-8118
E-mail: ic91445★city.iida.nagano.jp(★は@に変えて下さい)

飯田市美術博物館民俗文化講演会「柳田國男の博物誌的思考 ―民俗と生物地理−」

日時:2013年5月26日(日) 13:30〜15:30
会場:飯田市美術博物館 2階講堂
長野県飯田市追手町2-655-7/飯田バスセンターより徒歩5分・JR「飯田」駅より徒歩20分)
発表者とタイトル:
篠原徹(滋賀県立琵琶湖博物館館長)
 「柳田國男の博物誌的思考 −民俗と生物地理−」
講演要旨:
 柳田國男の思想には、近世の本草学などを含む博物誌的思考が背景にある。柳田の民俗学は「人間と生物の世界の交流」、つまり人の関与がある特定の生物の地理的な分布などを根拠に民俗の分布や人の移動が論じられていることがしばしばある。本講演では柳田の著作のなかで最も有名な『海上の道』をとりあげて、柳田の博物誌的思考がどのようなものなのか論じてみたい。柳田は生き物の生態や習性あるいは社会に対して限りない愛着があり、生物の世界と人間の世界を対等において比較するというものである。生き物に対してのクールな共感こそが柳田の思想の根幹にある。
その他の情報:聴講無料・事前申込不要
主催:飯田市美術博物館
問い合わせ先:
飯田市美術博物館
TEL: 0265-22-8118
E-mail: ic91445★city.iida.nagano.jp(★は@に変えて下さい)
関連URL: http://www.iida-museum.org/user/bihaku/event/event/20130526kouenkai.pdf

人類学的思考の沃野―山口昌男追悼AA研シンポジウム

日時:2013年6月7日(金) 15:00〜18:00
場所:東京外国語大学 アゴラ・グローバル
(東京都府中市朝日町3-11-1)
プログラム:
 司会:宮崎恒二(東京外国語大学理事)
15:00 黙祷
15:00-15:10 所長挨拶(三尾裕子)
15:10-15:20 日本文化人類学会長挨拶(小泉潤二)
15:20-15:50 基調講演:青木保
 発言者(1人15分)
15:50-16:05 渡辺公三
16:05-16:20 真島一郎
16:30-16:45 落合一泰
16:45-17:00 栗本英世
17:00-17:15 船曳建夫
17:15-17:30 今福龍太
17:30 閉会
開催趣旨:
 山口昌男先生は、2013年3月10日に私たちのもとから突然旅立たれてしまいました。御逝去の報に接し、生前の先生の御功績に敬意を捧げますとともに、AA研所員一同、衷心より哀悼の誠を申しあげたく存じます。
 山口昌男先生は、本研究所草創期の1966年4月にアフリカ研究部門(当時)の講師として着任されて以来、94年3月に定年退職されるまでの28年間にわたり、アジア・アフリカ地域の人文学研究を旨とする本研究所の発展を力強く牽引されるとともに、文化人類学を起点とする幅広い知の横断者として、国際的に活躍されてきました。御在職中には『アフリカの神話的世界』『人類学的思考』『本の神話学』『道化の民族学』『文化と両義性』をはじめ、日本の思想界に多大な影響を与えた数々の著作を発表されるかたわら、先生は『象徴と世界観の比較研究』を主題とした共同研究プロジェクトを、長年にわたり主宰されてきました。冷戦期の終焉にともないアジアの東端から発信するアジア・アフリカ研究の意味づけが大きく変容しようとしていた89年から91年にかけては、先生みずからが本研究所所長として機関運営の実務にあたられ、新たな研究と思考の方向性を所員に指し示して下さいました。
 この度の悲報を冷静に受けとめるにはいまだ歳月を必要と致しますが、後進の研究者につねづね闊達な檄を飛ばされていた山口昌男先生の思想、とりわけその「人類学的思考」を、既成の境界設定に内閉することなくいかに活き活きとした姿のまま、沃野のままに受け継いでいくべきかを省察するその第一歩として、私たちは本シンポジウムを企画することに致しました。山口昌男というひとつの巨大な知をたどるうえで原点にあたる空間とは、人類学的思考のアルケオロジーにとってもひとしく特権的といえる場、すなわちフィールドにほかなりません。周知のとおり山口昌男先生は、1960年代後半の西アフリカ・ナイジェリアやエチオピア南西部の調査を皮切りに、70年代には東インドネシアとメキシコを、つづく80年代にはカリブ海を舞台として、野生の思考と詩学を旺盛に探究しつづける、まさしく第一級のフィールドワーカーでいらっしゃいました。フィールド経験に培われた知の巨人の偉大な足跡を、あくまで研究者の眼でいまいちど辿りなおすとともに、残された私たちひとりひとりが新たな省察にむかう試みを以て山口昌男先生への追悼に代えることを、本シンポジウムの趣旨とさせていただきたく存じます。
 はじめに基調講演をいただく青木保先生をはじめ、シンポジウム発言者の多くは、山口昌男先生の共同研究プロジェクト『象徴と世界観の比較研究』の中核メンバーでいらっしゃった方々です。これに本研究所の元所員および現所員をくわえた構成で、ささやかな追悼の集いを進行する予定でおります。
主催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
後援:日本文化人類学会
事務局:基幹研究「人類学におけるミクロ‐マクロ系の連関」
問い合わせ先:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 基幹研究「人類学におけるミクロ‐マクロ系の連関」
E-mail: kikanjinrui★tufs.ac.jp(★は@に変えて下さい)
URL: http://www.aa.tufs.ac.jp/kikanjinrui/
その他の情報:参加費無料、事前申込不要

日本宗教民俗学会第23回大会

日時:2013年6月8日(土) 10:00〜
会場:大谷大学 博綜館5階第1会議室
(京都市北区小山/京都市営地下鉄烏丸線「北大路」駅下車、徒歩5分)
プログラム:
 09:30- 受付
 10:00- 開会の辞
 10:10-12:10 研究発表
「弘法大師信仰の諸相 ―酒井家文書から考える―」鬼頭尚義(兵庫県)
「白毫寺一切経会と死穢の問題 ―律僧による神祇信仰の特質―」舩田淳一(京都府)
「版木文化を考える」喜代吉榮徳(愛媛県)
 13:20-16:10 シンポジウム「円環する祈り」
「日本の仏画に描かれた“巡礼”」石川知彦(京都府)
「重層的で円環的な神話空間」佐々木高弘(兵庫県)
「ブータンの宗教世界観にみる円環の思想」本林靖久(滋賀県)
コーディネーター・司会:橋本章彦(大阪府)
 16:20-16:30 フィールドワーク報告・案内
 16:30-17:30 特別講演
「中世大和の仏教民俗信仰」赤田光男(帝塚山大学教授)
 17:40-18:10 総会
 18:10- 閉会の辞
主催:日本宗教民俗学会
問い合わせ先:
日本宗教民俗学会事務局
〒603-8143 京都市北区小山上総町 大谷大学平野寿則研究室付
E-mail: nichisyuumin★hotmail.com(★は@に変えて下さい)
その他の情報:会員外の方は、資料代として500円を申し受けます。

シンポジウム「人類の姿勢とロコモーション様式の特徴」

第8回人類学関連学会協議会合同シンポジウム・日本生理人類学会第68回大会公開シンポジウム

日時:2013年6月8日(土) 13:30〜15:30
場所:金沢大学宝町キャンパス・医学部十全講堂1階大ホール
(石川県金沢市宝町13-1)
プログラム:
 司会:藤原勝夫(金沢大学)
 パネリスト:
JS1 中野良彦(大阪大学・日本霊長類学会)「霊長類の樹上運動とヒトの直立二足歩行の進化」
JS2 野村雅一(国立民族学博物館名誉教授・日本文化人類学会)「手がヒトの最初の道具だとしたら、足は何なのだろう?」
JS3 松村秋芳(防衛医科大学・日本人類学会)「ヒト上科の運動行動における左右性の機能分化」
JS4 昆 政明(神奈川大学・日本民俗学会)「和船の操船と身体技法」
JS5 藤原勝夫(金沢大学・日本生理人類学会)「床振動時の片足立ちの安定性と足踏み時の注意配分の一側優位性」
開催趣旨:
 直立二足歩行は、ヒトの進化の方向を規定した特有の運動様式であると考えられている。これに伴って、上肢は身体を支持し移動することから解放され、複雑な操作性を有するようになった。さらに、このことが関係して、文化という特殊な生活方式をとるようになったと考えられる。
 本シンポジウムでは、人類の姿勢とロコモーション様式の特徴について、身体と文化の両面から論じる。当初、その特徴のひとつである「手・足・脳の左右の一側優位性」に焦点を絞っていた。しかし、これでは進化や文化の要因を取り込みにくいと考え、タイトルを上記のように変更した。本シンポジュウムを通じて、古くから問題とされてきた直立二足歩行について、更なる進展が図れるような新たな人類学的視点が加味されることを期待している。これを機に、ヒトの本質についての考えを深めていただければ幸いである。

史料と伝承の会

日時:2013年6月15日(土) 14:40〜18:00
場所:明大リバティタワー6階1064教室
(東京都千代田区神田駿河台)
発表者とタイトル:
1. 松岡 薫「大正・昭和初期の地域変容と祭礼の変化 ―熊本県阿蘇郡高森町の風鎮祭から―」
 本発表で扱う熊本県阿蘇郡高森町の風鎮祭(8月17、18日)は、「肥後の三馬鹿騒ぎ」と称され、南郷谷一の夏祭りである。現在でも俄、造り物、仮装行列などの余興が出て、期間中多くの人手で賑わう。風鎮祭は近世から続く祭りだが、調べてみると「肥後の三馬鹿騒ぎ」と宣伝し、熊本県下に広く知られるようになるのは大正後期頃からであった。また、この時期は向上会(風鎮祭の中心的担い手集団)の結成や鉄道開通など、高森という地域が大きく変容していく時代でもあった。新聞資料や向上会の活動日誌から、地域変容と祭礼の変化の関係について分析・考察を試みたい。
2. 菅根幸裕「定住した聖たち〜近世の聖の本末とネットワーク〜」
 本発表は、近世おける聖について、その本末とネットワークという視点から史料分析することを目的とする。1997年に発表された小栗栖健治氏が紹介した六十六部大願行列絵巻は、207名の六十六部廻国聖の行列が描かれており、それまで容姿の描かれる事の少なかった聖について、具体的な活動が明らかになった。発表者が問題とするのは、たった1人の六部に、なぜ207名もの仲間が、どのようなネットワークによって参集したのかということである。本発表では、この問題について六部及び高野聖の史料から分析してみたい。
3. 福原敏男「東北前沢における疫神鎮送の山鉾祭−民間御霊会終焉の一事例−」
 明治15年(1882)の現岩手県奥州市前沢におけるコレラに対する神輿渡御による鎮め、翌16年の収束祝いの山鉾祭という民俗信仰的対処について考察する。従来の研究では、流行り病に対する前近代的民俗儀礼については、虫送りなどと同様、疫神とみなして囃し立てて神送りをするとして理解してきたが、本発表では「怨霊の祟り鎮め」ではない「もうひとつの御霊会」として位置付けた。
主催:史料と伝承の会
問い合わせ先:
事務局:小山貴子(k-takako★hkg.odn.ne.jp)・水谷類(tagui★f6.dion.ne.jp)(★は@に変えて下さい)

柳田國男記念伊那民俗学研究所 民俗学入門講座(第5回)

日時:2013年6月18日(火) 18:30〜20:00
会場:飯田市美術博物館 柳田國男館
長野県飯田市追手町2-655-7/飯田バスセンターより徒歩5分・JR「飯田」駅より徒歩20分)
開催の趣旨:
 ご飯茶碗は自分専用のものがあるのに、洋食器は家族みんなが同じものを使うのはどうして? 身の回りにはふと考えてみると不思議なことがあります。民俗学は何げなく続けてきた慣習や言い習わしの疑問に答えるために、地域の生活を調査研究する学問です。
 柳田國男記念伊那民俗学研究所は地域に住む私たち自身が伊那地方の生活文化の調査と研究を行うことで、自らの生活の疑問を明らかにするために設立され、現在まで活動してきました。
 民俗学入門講座では私たちの身の回りにある生活の疑問に解説を加えながら、地域で生活を送る私たち自身が郷土の生活文化を知ることの意義や、調査・研究の具体的な方法について、わかりやすくお話しします。
講師と内容:「東のバカ・西のアホ」(福田アジオ/柳田國男記念伊那民俗学研究所長)
聴講料:1回500円(事前申込不要・当日会場へ直接お越し下さい)
各回の内容(全6回・毎月第3火曜 18:30〜20:00)
第1回=2月19日(火)「民俗の発見」※終了しました
第2回=3月19日(火)「旅の恥はかきすて」※終了しました
第3回=4月16日(火)「晴々とした、晴れがましいとは」※終了しました
第4回=5月21日(火)「他人の茶碗は汚い?」※終了しました
第5回=6月18日(火)「東のバカ・西のアホ」
第6回=7月16日(火)「民俗学の方法」
主催:柳田國男記念伊那民俗学研究所
問い合わせ先:
飯田市美術博物館
TEL: 0265-22-8118
E-mail: ic91445★city.iida.nagano.jp(★は@に変えて下さい)

明治大学社会構造研究会

日時:2013年6月21日(金) 18:00〜19:30
場所:明治大学駿河台校舎 グローバルフロント403J教室 412B教室
(千代田区神田駿河台1-1/アクセスマップはこちら
発表者とタイトル:
田中正隆(高千穂大学人間科学部 准教授)
 「メディア・オーディエンス・デモクラシー:ベナンにおけるジャーナリズムと公共性について」(仮題)
主催:明治大学大学院社会人類学研究室
問い合わせ先:
研究会幹事(宮内、山内)
E-mail: meiji.anth★gmail.com(★は@に変えて下さい)
その他の情報:申し込み・参加費とも不要

第1回「新しい野の学問」研究会

日時:2013年6月22日(土) 13:30〜
場所:東京大学東洋文化研究所3階大会議室
(東京都文京区本郷7-3-1)
発表者とタイトル:
菅豊(東京大学東洋文化研究所教授)「『新しい野の学問』の時代へ ―民俗学が進みゆく潮流のひとすじ―」
要旨:
 日本の民俗学は、かつて「野の学問」と表現されていた。その表現には、その学問の在野性や、現場におけるフィールド科学性、人びとに資する実践性、権力や権威、そして官学アカデミズムといった「何もの」かへの対抗性というエッセンスが込められていたはずである。この、かつての「野の学問」は、現在、余喘を保つ状況にある。しかし、その一方で身の回り=「野」に問題を発見し、情報を収集し、分析し、発信し、実践し、組織を構成し、資金を獲得する人びとは確実に増加している。そして、その能力=リテラシーと意欲は、かつて「野の学問」が起こった時代以上に、現代においてむしろ格段に高まっているといっても過言ではない。そのような時代を背景に生起した、多様なアクターが協働参画する知識生産と社会実践を、「新しい野の学問」と呼ぼう。
 「新しい野の学問」は、かつての「野の学問」と類似するが、けっして同じものと見なしてはならない。また、この時代の状況を暢気に「『野の学問』の復権」、あるいは「新しい民俗学の再創造」などと喜んではならない。いまの「野」は、かつての「野」とは異なっている。また、「新しい野の学問」が生まれている背景には、かつての「野の学問」が生まれた近代の状況とは異なる、現代の状況が横たわっている。たとえば環境破壊や地域格差、住民の高齢化、政治や経済、文化のグローバリゼーションといった切実な現状、さらにグローバル・ポリティクスとも絡む環境や文化の保護思想や多文化主義、市民主体の公共性論などといった強力な思潮というものに、いまの「新しい野の学問」は胚胎しているのである。「新しい野の学問」は、かつての「野の学問」とは異なる知識生産と社会実践の様式として、《いま、ここ》に立ち上がっている。
 「新しい野の学問」は、社会のなかで「役にたつ」ということを標榜し、アカデミズムの特定の狭いディシプリンに閉じ籠もることなく、多様な叡智と技能、経験を使う新しい学知である。それは研究者や専門家だけではなく、公共部門や市民、NPO、企業などを含めた多様で異質なアクターが参画し、立場性を乗り越えて協働する知識生産と社会実践のガバナンス運動といってもよい。その新しい学知では、日常生活のなかで等身大の人間の問題が発見され、方法が現場に即して選択され、帰納的に理解される。そしてそれは他者と自己を含む再帰的な知の営みとなっている。
 ただこのような新しい知識生産や社会実践は発展するにしたがい、一方でときに定型化し、あるいは規範化し、マニュアル化し、汎用化し、手段化し、その手法の適用自体を目的とする「大文字の学知」として、専門学問や政治に利用され始めている。さらにそれらは教条化して、本来あるべき「野」から乖離し、またもやアカデミズムに回収されるという問題にも、いまや直面しているのである。
 本研究会は、現代社会における「新しい野の学問」の大いなる可能性を追究しつつ、その発展に随伴する困難性を克服するために組織された3年時限の研究会である。今回は、その研究会で今後検討されるであろう「新しい野の学問」の論点整理と問題提起を行いたい。
主催/共催:
「新しい野の学問」研究会/科研「現代市民社会における『公共民俗学』の応用に関する研究―『新しい野の学問』の構築―」(研究代表者:菅豊・東京大学東洋文化研究所教授)/東京大学東洋文化研究所班研究「東アジアにおける『民俗学』の方法的課題」
問い合わせ先:
室井康成(東京大学東洋文化研究所特任研究員)
E-mail:muroi★ioc.u-tokyo.ac.jp(★は@に変えて下さい)
その他の情報:
「新しい野の学問」研究会は、参加申し込みや会員登録、会費納入は必要ありません。「野の学問」や「新しい野の学問」に関心のある方のご参加をお待ちしております。

記紀編纂1300年記念研究会

二つの高千穂に関する広域研究と遺跡・神話・神楽伝承データベース作成(平成25年度宮崎市学術研究振興事業)

日程:
第1回 2013年6月29日(土) 15:00〜17:00「古事記と日本書紀の神話の差異について(1)」
第2回 2013年7月27日(土) 15:00〜17:00「古事記と日本書紀の神話の差異について(2)」
第3回 2013年8月31日(土) 15:00〜17:00「遺跡・神話・神楽伝承 データベース作成の意義」
第4回 2013年9月29日(日) 15:00〜17:00「高千穂と阿蘇 霧島と隼人 まつろわぬ人びと」
第5回以後は、高千穂・阿蘇、霧島など現地見学会を兼ねて、それぞれの土地で研究会を開催予定
会場:宮崎公立大学 交流センター
(宮崎駅からタクシーで約10分)
講師:
北郷泰道(宮崎県文化課)・永松敦(宮崎公立大学)
参加申込:
〒880-8520 宮崎市船塚1-1-2 宮崎公立大学民俗学研究室「記紀編纂1300年記念研究会」宛、往復はがきでお申し込みください。
主催:記紀編纂1300年記念研究会
後援:宮崎公立大学
お問い合わせ:
研究代表者・永松 敦(宮崎公立大学教授)
TEL: 080-6406-5493(研究会専用電話)
E-mail: kojiki1300miyazaki★yahoo.co.jp(★は@に変えて下さい)
その他の情報:参加無料(通信費だけ実費をいただきます)